靴下が大好きな親友がいる。 家には未開封の靴下のダンボールが積まれていて、一回の買い物で20~30足買うのはザラ。 毎日違う靴下を履いていて、お散歩のときはお花柄、美術館に行くときは絵画柄、いつも足元を華やかに彩っている。 一方、私はいつから履いているのかわからないくたくたのものや、お土産で買った靴下、もらいもの、さらには親指に穴があいた数足の靴下をなんとか一週間ローテーションして履いていたので、「ちゃんとしたの履きな~」とよく笑われていた。 彼女は前職の同期だった。アパートの周りには田んぼと市役所、ドラッグストアくらいしかないような地方の町。私達はいまいち会社にも馴染めず、肩を寄せ合って生きていた。 車のなかった私達は、自転車と、お揃いで買った原付でどこにでもでかけた。毎日会社で顔を合わすのに、お互いの家を行き来しては夜更かしして、たまには長電話をして、いつまででも喋った。彼女との毎日は