2003年9月4日 第2回三者協議後の報告会で 佐藤博史弁護士のお話 足利事件は,「DNA鑑定によって犯人が突き止められた」と広く報道された事件で,菅家さんは,「DNA鑑定の結果を付きつけられて」自白しました。 菅家さんは,捜査段階で自白しただけでなく,一審公判の途中まで自白を維持し,一旦否認に転じたものの,また,公判で自白し,論告後,再び否認に転じ,最終的には自分はMちゃんを殺した犯人ではないと主張したのですが,このような特異な経過を辿ったこともあって,一審の弁護人は,残念ながら,菅家さんの無実の訴えを最後まで信じませんでした。 しかし,控訴審段階で,私を含めた新たな弁護団が弁護に取組み,私たちは,菅家さんは間違いなく無実だという確信を抱いて,弁護にあたったのですが,東京高裁は,控訴を棄却し,最高裁でも,DNA鑑定の証拠能力が肯定されて,上告棄却となり,菅家さんの有罪が確定してしまいまし