私は、仕事が大好きだ。大変なこともあって嫌いな人も多少はいるけど、達成感や日々何かをやらないといけない義務感は、とても心地がいい。食べるものに困るほど貧乏じゃないこと、他人から独立できる喜びもいい。 そんな私は最近プロポースされた。相手は私より5つ年上で、とても愛情深く優しい人だ。あれほど懐の広い人はいないし、私は彼のことを非常に尊敬している。 彼は山奥の工場で開発をやっていて、私は都会の出張所で彼の作る製品を売っている。新幹線で2時間かかる距離が私たちの間に横たわっている。月一回会うか会わないかの遠距離恋愛はとてもしっくりきていたけれど、私は結婚しよう、と答えた。もう20代後半だし、この人しかもう、愛せないと思ったし、結婚してもいいころかな、と思った。 でも、そしたら私が辞めないといけないわけで、でも、私は仕事が大好きなわけで。彼は一緒に住みたいからプロポーズしたわけだし、一緒に住まない