原書に「The Story of Sucess」という副題がついている本書は、けっして「成功するために何をすればいいのか」を教えてくれる本ではありません。むしろ、「成功」とは個人の才能や行動が生み出すのではなく、社会として私たちが醸成しているものなのだということが描かれています。 天才とうたわれた人、天才的な頭脳を持ちながら無為の人生を生きている人、時代の歯車に押しつぶされて成功できなかった人、あるいはタイミングと才覚のすべてがそろって素晴らしい成功をつかんだ人、文化に縛られた行動しかできなかった人々、それから解き放たれた人々。これらの人々に対する考察を通して、著者は私たちが「成功」という言葉に対して持っているイメージを完全に反転してのけます。 私はいまこの本を4度目の再読中(正確にはオーディオブックで聞いてるところ)ですが、自己啓発書でも、ハウツー本でもない、深い読後感をもたらすこの本は