人里離れた場所にある一軒家を調べる番組が大人気だ。本誌は逆に、人があふれるビル街にある一軒家に注目した。なぜ、そこに住んでいるのか。どんな生活を送っているのか。じっくりと話を聞いた。 固定資産税が高い 日本有数のショッピング街、東京・銀座。有名百貨店や高級ブランドショップが立ち並び、国内外から観光客が集まっている。 その地価は、都内でも飛び抜けて高い。銀座4丁目に店を構える老舗楽器店「山野楽器」の公示価格(土地の売買価格の目安)は、過去最高の1平方メートルあたり5720万円。1坪換算では、なんと約1.9億円だ。 生活臭を感じさせない銀座は「ハレ」の場。だが、このビルの谷間に自宅を構え、暮らす人がいる。いわば、都心の「ポツンと一軒家」である。 アパレル店や飲食店が軒を連ねる銀座レンガ通りを歩いていると、古ぼけた木造2階建ての家が目に入る。土地の広さは約12坪。寺尾和子さん(仮名・69歳)は、