核兵器禁止条約には問題がある 世界で最初に原爆が投下された8月6日と9日は、日本にとって特別な日である。 この経験を持つ国として、日本は核兵器の災禍を語り継ぐ責任がある。さらに、日本は核兵器の廃絶を訴え、世界が二度と核兵器を使用しないように努力する歴史的宿命も負っているのである。 日本政府はこれまでも核兵器廃絶に取り組んできた。自身が核兵器を保有しないことを国際社会に誓約すると共に、国連総会に「核兵器の全面的廃絶に向けた共同行動」決議を提出し、核不拡散にも積極的に取り組んできた。 そのような経緯を考えると、日本が2017年7月に採択された核兵器禁止条約交渉に参加せず、条約に反対することに違和感を持つ意見があるのも自然だろう。 また、核兵器廃絶を条約として法的に規定し、「核兵器なき世界」の実現を目指す国際的な取り組みに日本が参加しないことは、その廃絶を願う「ヒバクシャ」の心情を考えると、到底