今度公開されるトム・ハンクス主演の映画に合わせてってことなんでしょうが、早川書房からセシル・スコット・フォレスターの『駆逐艦キーリング』が新訳版としてしばらく前に発売されました。この本、軍艦が好きな人からは面白いと聞いていたものの、絶版になっててどこにも売ってなかったんですよね。これ幸いということで、おれも買って読んでみました。 『駆逐艦キーリング』の時代設定は(おそらく)1942年の3月ごろ、第二次大戦真っ只中です。ドイツと戦うイギリスに向け、アメリカからは大西洋を横断して大量の物資が輸送船で送り込まれました。一方ドイツは黙って見ているわけもなく、Uボートという量産型の潜水艦を放って輸送船狩りを始めます。それに対抗するために、連合軍は手元の軍艦を集めて輸送船団に随伴させ、護衛の任務を与えます。 主人公ジョージ・クラウス中佐は、とある輸送船団の護衛艦隊に参加するアメリカ海軍の駆逐艦”キーリ