金槌しか持たない者は、すべての問題が釘に見える。 ということわざがあります。この論理は、もっと抽象的な問題へのアプローチにも適用できます。ものの見方を「メンタルモデル」と呼びますが、ときには自分の専門外のことを学んで、いつもと違う視点を持つ必要もあるのです。 1965年にノーベル物理学賞を受賞したリチャード・ファインマンは、史上最高の物理学者のひとりとして知られています(ボンゴの名手としても有名)。 ファインマンは、MITを卒業後、プリンストン大学で博士号を取得しました。その間、各スクールの数学科にもぐりこんでは、優秀な数学科の博士課程学生でも解けないような難問を解いてみせたと言われています。 ファインマンは、傑作『ご冗談でしょう、ファインマンさん』において、それができた理由を語っています。その理由とは、高校時代にユニークな微積分の本を先生からもらい、視点を変えられるようになったから。 そ