スマートフォンのタップ1つで人の行動が変わるネット時代には、より人の心に届くコンテンツが大きなパワーを持ちうる。アニメ、マンガ、日本的な文化が、世界から評価されているのだとするとチャンスのはずだが、政府のコンテンツ政策はどう議論されていて、なにが課題なのか? 慶應義塾大学教授の中村伊知哉氏に『コンテンツと国家戦略』(角川EPUB選書)を書かれた背景を聞いた。 中村 知財本部(知的財産戦略本部)が内閣官房にできて10年なんですよ。10年間コンテンツ政策を政府をあげてやってきたんですが、メディアの環境がかなり変わった。コンテンツ以上にソーシャルメディアなど、コンテンツだけではなくそれを取り巻くコミュニケーションとコミュニティーが大きな意味を持つようになってきた。それから、ブロードバンドも地デジも普及して、日本全体がデジタル列島になりました。デバイスも10年前の中心だったテレビとパソコンとケータ
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