他人から見れば「酔狂」と言える物事に打ち込む人間は孤高である。この本「プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた~涙と笑いの球界興亡クロニクル」は現在まで10年に渡って、プロ野球12球団のファンクラブ全てに入っている男の到底理解しがたい「孤高の記録集」である。 10年前――2005年はプロ野球界にとっては“変革”の年であった。50年ぶりの新球団、東北楽天ゴールデンイーグルスが新規参入。ダイエーホークスはソフトバンクに親会社を変え、奇しくも2つのIT企業が球団経営に乗り出した年だった。セ・パ交流戦が始まった年でもあった。前年の’04年、大阪近鉄バファローズが消滅、そして史上初のストライキ。「ファンサービスとは何か?」と考えた著者は球界に「不信感」を抱きつつ、全球団のファンクラブに入ることを決意する。 いざ12球団のファンクラブに入ろうとすると、中日と広島が「一般男性会員」を募集し