坂本:学者の世界だけじゃなくて、たとえば音楽でも、日本の若い人たちから、海外に対するあこがれがなくなっちゃいましたね。外国のものをマネしないっていういいこともあるけれど、反面、國分さんが言うように、引きこもっちゃうというか内向的になってしまって、外に向かっていかないネガティブな傾向もあって、こちらはちょっといただけない。 國分:ああ、わかります。 坂本:その状況は、音楽の世界ではけっこう長く続いていますね。最近デビューする日本の若い子たちのバンドは、たとえば「ミスチル(Mr.Children)を目指してます!」みたいな感じなんだそうです。要するにミスチルの弟バンドが目標。そんな感じだそうなんです、僕もくわしくは知らないんですけどね。そのミスチル自身は、間違いなく、イギリスやアメリカのアーティストを聴いて育って目指して音楽をやっていたはず。でも、今デビューするミスチルの「弟バンド」的な子