最近、東京の街頭に旧日本軍のコスプレをした若者たちが登場し、メディアで話題になっています。 経済や政治の歴史の観点からすれば、低成長が常態化し、格差が固定化する様相を呈している今日の状況で、ナチズムのような考え方が復活しつつあるのは驚くに値しません。 そこで簡単にナチズムの台頭した背景と、当時の経済や政治の状況を振り返ってみることにします。 第一次世界大戦でドイツは敗戦国となり、賠償金を要求されます。当時のドイツは、しっかりした徴税ベースが無かったので政府負債に依存せざるを得ませんでした。 それは資本市場のクラウディング(=政府以外の借り手を、おしのけること)を起こし、ドイツ企業の資本コストは上昇しました。 賠償金問題がある限り、ドイツ政府はどんなに努力しても財政均衡を実現することは困難でした。そこで(どうせ財政赤字を立て直すことは無理だ)という諦観のもとに、責任ある政府予算を立てるインセ