皆さんは「絶食」や「断食」という言葉にどのようなイメージをもっているだろうか。絶食というと過激なダイエットや試合前のボクサー、宗教的な儀式などをイメージし、ストイックに身体をいじめて傷つけるシーンを想像してはいないだろうか? ところが、絶食には身体を傷つけるどころかメンタルの不調を回復する効果があるかもしれないのだ。ここでは心理療法として現在でも利用されている「絶食療法」について紹介していきたい。 絶食療法の由来 絶食療法は50年以上前から行われており、歴史は意外と古い。最初に近代的な治療に適用したのは内務省栄養研究所の高比良英雄氏といわれているが、療法として深化させたのは心療内科医である鈴木仁一氏らのようだ。鈴木仁一氏ら東北大学の研究グループが確立した手法が現在でも絶食療法のメインとなっているために「東北大学方式」ともよばれている。 具体的な方法 絶食療法は心身に大きな負担がかかるために