結論が分かっているドラマは大概つまらない。「近いうちに」と言い続けてなかなか解散せず、「嘘つき」とすら呼ばれていた野田佳彦首相が自民党の安倍晋三総裁との党首討論で電撃的に解散を表明した。野田首相の余裕と迫力、たじろぐ安倍総裁、信じがたいといった様子の議員、終始ニヤニヤしている前原氏。結論が分かっているからこそドラマが際立つ。 討論は、首相の激務をねぎらい「たまには総理のチャーミングな笑顔が見たい」と安倍総裁が切り出す。余裕すら感じられる。 それに対して野田首相は「皆さんが作ってきた負の遺産が大きすぎて三年間で解消できない」「借金の山という負の遺産もありました」といきなり厳しい言葉を返し、「近いうちにこの討論中で明らかにしたい」と予告する。だが、まさか本当に解散宣言するとは思えない雰囲気だ。 定数削減と議員歳費の削減を条件に「今週末の16日に解散していいと思っています。国民の前に約束して下さ