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ブックマーク / k-onodera.net (4)

  • 『インターステラー』視覚化せよ!ブレーンワールド

    ジョルジュ・メリエスが映画のなかで、特殊撮影によって人類を月に送り出してから、現在まで続くSF映画の系譜のなかで、『インターステラー』は劇映画として、学術的な視点から、宇宙の神秘に最も深く踏み込んだ作品ではないか。 こういうことを言うと、「映画なんかよりもSF小説の方がはるかにすごいし深いところまでやっているぞ」という人も出てくるかもしれない。だがそれは、小説映画との制作方法の違いから、仕方のないことだと感じる。 映像作品は、描くものを視覚化しなければならず、読者に文章で長く状況や科学的な理論を説明することもできない。なので、複雑な状況を描き、科学的な考証が高いレベルに達するSF映画が稀少になってしまうというのは必然といえる。 実際には、近年のSF映画を引っ張ってきたのは、宇宙物理の学術知識というよりは、SF小説の存在であったといえるだろう。 そのなかで、オリジナル脚の『インターステラ

    『インターステラー』視覚化せよ!ブレーンワールド
  • 『GODZILLA ゴジラ』再定義される「怪獣」

    『ダークナイト』や『ウォッチメン』、『300』、『パシフィック・リム』、『マン・オブ・スティール』など、コミック原作やオタク向けの題材を、大人や広い観客層にも楽しめるような、リアリスティックな路線で実写映画化することでヒットを連発してきたレジェンダリー・ピクチャーズが、東宝から『ゴジラ』使用の権利を譲り受け、(東宝担当者は「出演者」を貸し出したと表現)ハリウッドでの再映画化に挑んだ。 それ以前にも、ローランド・エメリッヒ監督による映画化作品『GODZILLA』があったものの、そのシリーズ続編が制作されることがなく、そこから今回の映画化までに長くブランクがあったのは、このエメリッヒ版が、興行的には成功したものの、内容について非常に評判が悪く、続編構想が頓挫し、その後怪獣映画そのものが企画として通りづらくなってしまったという経緯があるからだ。 宇宙人襲来を描いたSF映画『インデペンデンス・デイ

    『GODZILLA ゴジラ』再定義される「怪獣」
  • 『思い出のマーニー』米林作品の「反創造」姿勢とは

    以前、ブログ記事『借りぐらしのアリエッティ』 脅威!不毛の煉獄アニメーションを書き、かなり悪し様に言葉を尽くして、米林宏昌監督をののしった。そのくらい、米林監督の初監督作『借りぐらしのアリエッティ』のつまらなさというのは、人智を超えたものだった。 そもそも、テーマやストーリー以前に、何を見せたいのか、何を感じさせたいのかが不明瞭なほど、演出のレベルが低くセンスも無いために、作品としての体(てい)を成していなかった。 仮に、目一杯好意的に見て、スタジオジブリ作品で初監督を務めることのプレッシャーや現場の意思疎通不足、混乱などを加味しながら、演出の不備を最大限に看過し擁護するとしても、それでも最も失望し驚かされたのは、作品から感じられる個性や野心の欠如、創造性の欠如、知性や主義主張の欠如、ユーモアと観客へのサービス精神の徹底的な欠如という、あまりにも根的な資質や姿勢が欠如していたことであり、

    『思い出のマーニー』米林作品の「反創造」姿勢とは
  • 『アナと雪の女王』少女を搾取するポップスター・プリンセス

    『白雪姫』から伝統的に続く、ディズニー長編映画のプリンセス路線の最新作、『アナと雪の女王』。これが全米のみならず世界的に大当たりして、ディズニー・ピクサー作品『トイ・ストーリー3』を超えて、歴代アニメーション作品第1位という超大ヒット作品となっている。 この結果は内容を見れば、いろいろな意味で、かなり納得できる。今回はその動員数の裏に、どのような背景があるのかを、作品の内容に沿って検証してみたい。 まず目に付くのは、最新のフルCGアニメーションによる圧倒的な表現力についてだ。 雪の描写だけでも、ディズニーが、とくにこの作品のために独自で開発した3Dレンダリングソフトを利用し、実写映像と区別がつかないレベルのリアリティを獲得しているし、降り注ぐ小さな雪の結晶に無数のヴァリエーションをつくるなど、現場の製作を助ける土台が周到に整備されている。雪が降ったり、地面の雪が飛び散ったりするシーンが非常

    『アナと雪の女王』少女を搾取するポップスター・プリンセス
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