【米田優人】街頭にホストが立ち並ぶころ、東京都新宿区歌舞伎町のバッティングセンターに快音がとどろく。今年になって放ったホームランはすでに159本。60本のシーズン新記録を達成したバレンティン選手(ヤクルト)も目じゃない。その女性のことを人はこう呼ぶ。「歌舞伎町のホームラン王」――。 13日午前零時前、歌舞伎町2丁目の「新宿バッティングセンター」に「ホームラン王」はやってきた。現れるのは、いつも深夜帯。球速90キロのボールが投げ込まれるボックスが指定席だ。 打撃用の手袋をはめ、長い髪を束ねると、右打席へ。バットを寝かせ、ややひざを曲げて構えると、目つきが鋭くなった。