(2012年8月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) JPモルガンの元花形トレーダー、藤巻健史氏は10年以上にわたって間違ってきた。日本国債を売り持ちにしたことで2000年にジョージ・ソロス氏にお払い箱にされて以来、藤巻氏は、財政破綻が間近に迫っているとの予想の下、年金生活者に手持ちの円を減らすよう助言して生計を立ててきた。 外れ続けてきた予言 円は上昇し、国債利回りは低下しているが、著名な講演者でメディアのご意見番である藤巻氏は自分の意見を曲げずにいる。 大阪で行った最近の講演では、日本の「悲惨な」財政状況を正す唯一の方法は、ハイパーインフレと金利の急騰、現在の1ドル=約78円から「300円か400円」への円相場急落だと述べた。 劇的な事態を描く藤巻氏に同調する専門家はほとんどいないが、大方の人は、政府の債務(政府保証債務を含めて現在1003兆円を超える)が日本経済に大きな危険をもたら