バレンタインデーの14日、パキスタン北西部ペシャワルの大学で、この日を祝おうとする学生と反対する学生の間で衝突が起き、少なくとも3人が負傷した。 現地からの報道によると、キャンパス内でバレンタインデーを祝う行進をしていた世俗派のグループと、この日を「質素の日」と名付けて反対デモを始めたイスラム保守派の学生が鉢合わせした。石や棒切れを使った乱闘となり、一部で発砲も起きた。保守派は学生寮に入り込み、世俗派の学生の部屋に放火。警察が出動し、鎮圧した。 イスラム色が強いパキスタンでは、恋愛結婚はかなり少数派。日本のようにバレンタインデーに告白をする風習はないが、近年、特に若者たちの間で、この日に家族や友人に花やチョコレートを贈ったり、赤い服を着てパーティーをしたりするのが流行し始めている。イスラム保守派政党は「反イスラム的だ」と批判している。(イスラマバード=武石英史郎)