はじめに、脳科学の研究を行っている藤井氏は、研究の3つの大きなテーマとして「Social Brains」(社会的な脳機能を知る)、「Brain Machine Interface」(脳と機械をつなぐ仕組みを作る)、「Substitutional Reality」(SR:代替現実技術の開発)を挙げ、今回の講演テーマであるSR技術について解説していった。 日常のなかで、PCを操作したり、テレビやDVDを鑑賞したりするなど、デジタルコンテンツを鑑賞するときにはフラットスクリーンを見ることになるが、デジタルコンテンツの消費は、ほぼすべてがモニターであるフラットスクリーン上だけで行われており、それを拡張することは今までできていなかった。このような状況を藤井氏は不満に感じており、高校時代に観たSF映画「トロン」のように、仮想のデジタルの世界と現実世界の垣根を取り払うことができないかと考えたという。 「