米国バーモント・ヤンキー原子力発電所。天然ガスとの価格競争の末に閉鎖した。(PHOTOGRAPH BY TOBY TALBOT, AP) 米国の原子力発電所が、また一つ閉鎖した。 閉鎖したのは、バーモント州にあるバーモント・ヤンキー原子力発電所。42年間に及ぶ稼働を経て2014年末に運転を停止した。「計画していた施設改善のコストをエネルギーのコストとして考えると、閉鎖するのが妥当との結論に至りました」と、同発電所を運営するエンタジー社の担当者は説明する。ヤンキー原発はバーモント州で使用される電力の70%を発電していたが、今後は他の電源でまかなわれる。 過去2年間に閉鎖された米国の原子力施設は、今回で4カ所を数える。残された原子炉は約100基あるが、2050年にはそのほぼすべてが稼働から60年を超えることになる。安価な天然ガスが米国のエネルギー経済を一変させた今、原発の稼働を継続するだけの投