NASAの火星探査機バイキング1号オービターが撮影した写真では、火星の薄い大気が確認できる。火星が形成された当初は、火星の水に含まれる水素と重水素の比率は地球の水と同じだったが、軽い水素は徐々に宇宙空間に逃げ出していってしまった。(PHOTOGRAPH BY NASA) 高性能望遠鏡を使った観測により、40億年前の火星には深さ1600m以上の海があり、その表面のかなりの部分を覆っていたことが、3月5日付の科学誌『Science』に報告された研究結果で明らかになった。 川底にあった小石、古代の海岸線、河口の三角州、水中で形成された鉱物など、火星の表面に水が存在していたことを示唆する痕跡はこれまでにも多数見つかっている。今回も、火星にかつて大量の水があったとする推測を強く裏づけるものだった。 火星大気の組成を分析 今回の証拠は、火星の大気中に残っている水蒸気の分析から得られた。NASAのゴダー