(2015年1月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) パリのテロ攻撃の数日前、1冊の本が筆者のオフィスに届いた。ローラン・コーエン・タニュジ著『What’s Wrong with France? (フランスのどこがいけないのか)』という本だ。 筆者の本棚には、これによく似たタイトルの本が並んでいる。『France on the Brink(崖っぷちのフランス)』『France in Denial(現実を否認するフランス)』『France in Freefall(フランス急降下)』『France’s Suicide(フランスの自殺)』といったラインアップだ。 「衰退主義」においては、米国はアマチュアでしかない。フランスを先週襲ったテロリストたちは、すでに深刻な自信喪失の危機を経験している国を攻撃した。 衰退主義者たちが指摘するフランスの悩みは多岐にわたる。人種間の緊張、過激な政治思想の台