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ブックマーク / www.anlyznews.com (6)

  • 貧困層に出納帳をつけてもらって分かったこと

    ネット界隈で貧困問題が熱く語る人は多いのだが、実は良く分かっていない事も多い。低収入なのは確かなのだが、一般に何に幾ら支出していて、どういう遣り繰りをしているのか、分かる統計は意外にないものだ。国際援助を受けている開発途上国でも同様のところがあるのだが、貧困層に出納帳をつけてもらって*1その実態を明らかにした人々がいる。PORTFOLIOS OF THE POOR(邦訳:最底辺のポートフォリオ)は、その成果をまとめたもので、足場のしっかりした議論が展開されている。日でもテレビ番組で妙な事例を紹介する前に同様の取り組みを行なえば良いと思うのだが、それはさておき、内容を簡単に紹介してみたい。 何章にも渡って事例が色々と紹介されていて、かなり分量のある付録に具体的な集計データとその取り方が細かく紹介されているのだが、書の議論はそう複雑な話ではない。貧困層は事故・病気・冠婚葬祭などの大きな支出

    貧困層に出納帳をつけてもらって分かったこと
  • 戦略コンサルタントが教育を語るとこんな事になる

    文部科学省の実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議で提出された、戦略コンサルタント冨山和彦氏の「我が国の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る高等教育機関の今後の方向性」が一部で話題になっている。 産業をグローバル(Gの世界)とローカル(Lの世界)に分けて、それぞれに必要な人材が異なるとし、それぞれのタイプの人材に適応した教育を行おうと言うのが趣旨だが、色々な部分で戦略コンサルタントらしい頭の悪さを発揮している。それっぽいが辻褄のあった議論が出来ていないし、現実も見ていない。 1. 労働生産性と言う指標の罠 まずは労働生産性と言う指標の意味を確認しておこう。冨山氏も書いているが、労働生産性=付加価値生産額/投入労働時間という事になる。この付加価値生産額と言うのが曲者だ。端的に言うと付加価値生産額は、売上から原価を引いた粗利益として計算される。だから、付加価

    戦略コンサルタントが教育を語るとこんな事になる
  • 大学教員が求める基礎力がつく『数学は言葉』

    マクロ経済学者の荒戸寛樹氏が新入生にお勧めしていた『数学は言葉―math stories』を拝読してみた。英語のサブタイトルが謎*1なのだが、社会科学系の大学教員が新入生に求める基礎力がつくになっていると思う。こう言うのが分かってい無い子が多いよな~と思う事が、色々と説明されているからだ。しっかりと読み込めば、命題や定理といった数学の基的な用語や、論理式や証明手順を理解する事ができる。高校数学の復習とも、その先を見据えた準備とも取れるが、学ぶことは多い。 内容は易しい、そして難しい。矛盾した事を言っていると思うだろうが、x=4, y=6の「,」の意味まで説明されているから懇切丁寧で易しいと思う反面、論理式の応用例として「宇宙人の言語学」と呼ばれて恐れられているε-δ論法*2が出て来て、論理式で連続と一様連続の定義の違いを説明していたりする。一つ一つ読み込んでいけば無理はないはずだが、一

    大学教員が求める基礎力がつく『数学は言葉』
  • 経済学を知ったかぶりするための独学方法

    すらたろう氏が独習者のためのおすすめ経済学入門テキストを紹介しているのを見て、ask.fmを始めたところ、経済学研究科に行かないで経済学を学ぶ方法を質問されたのを思い出した。 用途が分からないのだが、SNSで聞かれたのでSNSで使うための知識なのであろう。主に文系学問を学んできた人が、インターネットの交流サイトで経済学を知ったかぶりするための独学方法を考えてみたい。 1. 基礎的な数学を学ぶ 経済学は言葉として数学を利用しているため、ある程度の数学の知識が必要だ。記号の意味ぐらい分からないと、読み飛ばしもできない。しかし経済学の教科書の数学の説明は極端に省略されているので、やさしめの数学書を読んだ方が理解が深まる。線形代数、集合、位相、解析のイロハを学ぼう。 一般教養数学を履修していなかった人は、『微分・積分30講』と『線形代数30講』を読んでおく方が良いと思う。だらだら読んでいても一ヶ

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  • 高校で数学を勉強しなかった人のための「経済学で出る数学」

    何かと教育再生実行会議が話題だが、日の文系学部が死に体になっている理由の一つに受験科目があると思う。数学が無いと何も出来ない時代なのだが、受験科目に数学が無いためか極端に数学に弱い学生が存在し、それにあわせて講義内容がおかしくなっているケースもあるようだ。 根的な解決策として受験科目に数学を課したり、高校卒業試験を設けたりして、数学を勉強させたりすることが考えられるが、留学生などで母国で受けた数学教育が十分でないケースも存在する*1ので大学側で補習的な数学教育を準備する必要があるであろう。そういう時の教材に『(改訂版)経済学で出る数学 高校数学からきちんと攻める』は優れていると思う。 何が優れているかと言うと、経済学の文脈から離れ無いようにしつつつ、微分や積分などをゼロから説明しようとしている。説明は工夫されており、例えばテイラー展開の説明は公式の暗記もしくは機械的な証明に頼りたくなる

    高校で数学を勉強しなかった人のための「経済学で出る数学」
  • 統計学を勉強するときに知っておきたい7つのポイント

    マイクロソフト社が技術分野でもっと熱い専攻の一つとして分析/統計をあげている(Microsoft JobsBlog)。同社以外でも統計学は、今後最も有益なスキルの一つだと考えているようだ(NYT - For Today’s Graduate, Just One Word: Statistics)。しかし、データマイニングの話も一般化しつつあって学習ノウハウなども公開されているが、経験にあわない部分が多い。統計学を初めて勉強するときに知っておいた方が良い7つのポイントをあげてみた。 1. 学習機会やテキストは山のようにあるので利用する 確率・統計の日語テキストは山のようにあり、大学のコースワークを振り返っても、理文問わずにほとんどの学部で確率・統計はあったはずだ。大学院のコースワークでは英語の文献を好む傾向があるが、上級テキストでも日語のものも少なくない。また「マンガでわかる統計学」のよ

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