『交差点に舞う風』 大型免許を取得し順調に仕事をこなす島田へワン切り着電が入る。 詐欺ではないかと履歴から削除したが、ある日、見覚えのない 携帯番号からの電話は一度で切れることなく延々と鳴り続けた。 ※この物語はフィクションです。登場する個人名・団体名などはすべて架空のものですが、 素人による執筆の為、誤字、脱字等々、お見苦しい点があることを予めお断りしておきます。 六月半ばのその夜、私は圭ちゃんの助手席で頭上に広がる暗い空を見上げている。 やや肌寒い風が髪と頬を撫で、エンジンの乾いた音が中心街のビルに溶けた。照明やネオンが映り込むボディは、何色とも言い難いほど鮮やかな輝きを放っていた。周りからの視線に動じることもなく、じっと前を見据えた圭ちゃんは、ゆっくりとした流れに車を添わせながら、時折口元を赤く光らせている。水の中に溶かしたように消えて行く煙りが、なぜかため息のようにも見えた。 「ど
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