前回のエントリーで「大乗非仏説」(大乗経典は後代の人が考えたもので釈迦の教えではないんでないの?)について触れました。この説によれば、真言宗とか天台宗とか日蓮宗とか浄土宗とかは誰が考えたのか良く分からん教えを守ってずっと修行したり説法してきたことになります。 しかし、大乗非仏説は日本では明治以降にもたらされた考え方です。それまでの日本では、「たくさんお経があるけど、釈迦はいっぱい教えを説いたんだなぁ」と素直に思っていたわけです(※1)。で、そうなると、どのお経を一番重視すればいいのか、という問題になってきます。そこで人それぞれにお経にランク付けをしていきます。仏教宗派が色々と分かれているのは、一つにはこのランク付けがあったからです。「うちはこのお経が一番効果絶大だと思うんだ」「うちはこれだと思います」といった具合に分かれていったのです。 そして、最澄の天台宗では「法華経」を最重要視しました