私が知る「従軍慰安婦」 湯浅謙 私は先の大戦中、中国戦線に於て陸軍病院の軍医として従軍し、部隊の軍医の教育に中国人を生きたまま手術して殺すという、いわゆる生体解剖をずいぶんやりました。そのため敗戦後は中国に抑留され、捕虜として2年、戦犯として監獄に3年半過ごしました。この間中国の手厚い管理により自分の罪を反省することができた次第です。 1956年、許されて帰国してからは、中国帰還者連絡会の一員として、自分の罪悪を通じて日本の軍国主義の実態を訴えています。普段は生体解剖の話をする機会が多いのですが、ここでは私が体験した朝鮮人の「慰安婦」について述べます。 私は子供のときから朝鮮人は卑しいと叩き込まれ「センジン」といってさげすんでいました。中国人も「チャンコロ」と侮蔑しておりました。こういう民族差別の意識から、「この戦争は正しい、日本は天皇を頂いて必ず勝つ、いつかアメリカ、イギリスに伍してアジ