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ブックマーク / uma-furi.com (7)

  • 日本で一番速い君へ。光すらも置き去りにしたカルストンライトオ

    サラブレッドは、生き物の極致の如きスピードで私たちの目の前を駆け抜ける。 愛らしい瞳を持ち、時に無防備な、時に哲学的とも思える振る舞いを見せる彼ら彼女らが、命を燃やし、闘志をむき出しにしてスピードを競う姿は、私の心を捉えて離さない。 レースを俯瞰するだけならテレビ画面が一番わかりやすい。それでも私が競馬場に足を運ぶのは、蹄音を響かせて、あっという間に目の前を駆け抜ける彼らの「疾風」をその目で、その耳で、その肌で感じたいからだ。 アスリートたる彼らの中でも短距離を生業とする馬たちは格別だ。 彼ら彼女らは頑健さを極めた屈強なダート馬とも、研ぎ澄まされた身体能力をクレバーに発揮するスレンダーな中長距離馬とも異なる。 小細工無用。後肢が生み出す巨大なトルクを前肢で捉え、ターフを蹴り、推力に変換しパワーを乗せていく。スピードに最適化し、走ることに特化した筋肉の芸術品に私はいつも見惚れてしまう。 サク

    日本で一番速い君へ。光すらも置き去りにしたカルストンライトオ
  • きみがいない未来と、パンサラッサのこと - 2022年・天皇賞(秋)

    2022年の天皇賞・秋、パンサラッサは見事な大逃げを打った。ハイペースを刻んで1000メートル通過は57秒4。ずっと先頭を守って、守って、最後は差された。あふれんばかりの生命力をもって、元気よく走り切った。 私は「パンサラッサ命なら、残り100メートルまでは絶対に楽しめるからね、アハハ」という職場のおやじを思い出していた。このおやじ、馬券はろくに当たらないが純粋に競馬が面白くてたまらないとみえる。秋の天皇賞では35年前のニッポーテイオーから逃げ馬の戴冠はお預けで、東京での逃げは一苦労であろうが、このおやじにそんなことは知ったこっちゃないようだ。それが嬉しくて、パンサラッサ好きに悪い人はいないね、と言ったら、おやじはまんざらでもなさそうに皺くちゃになってはにかんだ。 実におやじの目論み通りだった。100メートルどころか、最後まで夢を見た。35年の沈黙を押し破るあと一歩のところまできていた。

    きみがいない未来と、パンサラッサのこと - 2022年・天皇賞(秋)
  • 「もう2度とひっくり返らないぞ、ジョッキーを落とさないぞ」。悲運の名馬・シゲルスダチの生涯を振り返る。

    記録には残らなくても、人の記憶に残る名馬がいる。 2015年に『優駿』の企画、「未来に語り継ぎたい名馬 BEST100」の中で、重賞未勝利の条件馬として唯一ランクイン(95位)した馬がいた。 その馬は、シゲルスダチ。 2012年の3歳OPマーガレットSを勝利し、NHKマイルCにも出走した実力馬で、その芦毛の馬体と可愛らしいルックスも相まって多くのファンを獲得したアイドルホースだった。2012年シーズン、シゲルスダチは休むことなく転戦を続け、ほぼ1ヶ月に1走のペースで走り続けて年間で実に11戦のキャリアを積んだ。 連勝してオープン入り、GⅠの舞台や古馬との対戦、1番人気もシンガリ負けも経験した内容の濃い1年だったと言えるだろう。 そんなシーズンにおいて、8月の北九州記念は、彼のキャリアでも特筆すべきレースとなった。 前2走で古馬相手に歯が立たなかった彼はこのレースで18頭立ての12番人気42

    「もう2度とひっくり返らないぞ、ジョッキーを落とさないぞ」。悲運の名馬・シゲルスダチの生涯を振り返る。
  • その葛藤に、用がある。 ~2001年 宝塚記念に寄せて

    宝塚記念には、不思議な魅力がある。 ダービーも終わり、新馬戦とローカル競馬へと心が切り替わる、その前のエアポケットのような施行時期。まるでその年の春競馬の置き土産のようで、私の心を躍らせてくれる。 梅雨空の下で渋ることの多い馬場状態。 阪神・内回りというクセのあるコース。 短い直線と、2,200mという非根幹距離。 梅雨時期の仁川を彩るグランプリは、いつもと違うGⅠレースを見せてくれる。 そんな「いつもと違う」記憶に残るレースとなった21世紀最初の宝塚記念に寄せて、少し綴ってみたい。 初勝利を挙げたのは、こちらの方が先だった。 1999年1月16日、京都5レース。4歳新馬戦、ダート1,800m。 その若駒は、スタートで大きく出遅れたものの、向こう正面過ぎから捲り気味に進出し4コーナーを回って先頭に立つ。 そのまま直線を押し切り、デビュー2戦目にして初勝利を挙げた。 メイショウドトウ。 調教

    その葛藤に、用がある。 ~2001年 宝塚記念に寄せて
  • 「1人と1頭」のヒシアマゾン〜ウマ娘から競馬にハマった私と、彼女の訃報〜

    褐色で紺髪ロングの美少女──私がヒシアマゾンを初めて見た時の印象です。 こんなにかわいい女の子は今まで見たことない! ずっとこの子を応援したい! と、その時心に誓いました。 往年の競馬ファンには何を言っているんだと思われるかもしれませんが、私は「1人と1頭」のヒシアマゾンが大好きです。 今回は1頭の競走馬、1人のウマ娘、1人の競馬オタクについてご紹介させてください。 ウマ娘のヒシアマゾンと私の出会い 元々の私の競馬ライフは、平凡なものでした。 ただただ競馬場に行き、写真を撮ったり馬券を買ったり……といった感じです。 特に競馬を始めてすぐの頃は私にとって競馬はただのギャンブルでしかありませんでした。 競走馬に対しても、馬券が当たるか当たらないかを決める……まるでサイコロを見るような感覚で捉えていたと思います。 そのような感覚を変えてくれて、さらには私の人生を豊かにしてくれたのが、ウマ娘「ヒシ

    「1人と1頭」のヒシアマゾン〜ウマ娘から競馬にハマった私と、彼女の訃報〜
    kangiren
    kangiren 2021/06/20
    スオミアッキ氏、現役時代のヒシアマゾン見てないのかあ。ちょっとびっくり。
  • [ウマ娘]才能豊かなスーパーカー! ウマ娘マルゼンスキーと、史実馬マルゼンスキー。

    「今日の走りもチョベリグ! お立ち台までイケイケよ!」 とてつもないポテンシャルを持ちながら、威張ることもなく、学園のウマ娘みんなのお姉さんとして慕われているマルゼンスキー。 ドライブが大好きで、よく学園のウマ娘をドライブに誘ってはヘロヘロにさせたりと面白い一面を持っているキャラクターです。また学園で唯一1人暮らしが許可されていたり、学園長秘書のたづなさんと友達であった、なにかと学園で特別な存在となっています。マルゼンスキーがトレセン学園で特別な存在として描写されている理由は彼女の現役時代にあります。 今回は数奇な運命に立ち向かい、ファンから"スーパーカー"と評されるようになった、マルゼンスキーの現役時代について解説させていただきます。 マルゼンスキーの目標レース メイクデビューに出走 マルゼンスキーは日生まれですが、持込馬という少し特殊な経歴の持ち主でした。持込馬とは、母が海外滞在中に

    [ウマ娘]才能豊かなスーパーカー! ウマ娘マルゼンスキーと、史実馬マルゼンスキー。
  • [対談]漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』製作陣に直撃取材! 主人公・オグリキャップの魅力に迫る!

    現在、週刊ヤングジャンプ(以下、YJ)で連載中の『ウマ娘 シンデレラグレイ』。 Cygamesが手掛ける人気コンテンツ『ウマ娘プリティーダービー(以下、ウマ娘)』の完全新作コミックとして話題となっただけでなく、その面白さから競馬ファンや競馬ファン以外から支持を得ている。そんな期待の注目作の主人公は、オグリキャップ。 伝説のアイドルホースを題材に描かれる作品から、目が離せない。 今回は、『ウマ娘 シンデレラグレイ』の脚担当・杉浦理史さん、漫画企画構成担当・伊藤隼之介さんにお話を伺ってきた。 漫画ウマ娘 シンデレラグレイ』の制作秘話、さらに作の題材となった名馬オグリキャップの魅力について伺っていく。 「オグリキャップという超名馬を扱うのは、ある意味必然でした」 ──今回、数ある名馬の中からオグリキャップが主人公のモチーフに選ばれました。 漫画企画構成担当・伊藤隼之介さん(以下、伊藤)「世

    [対談]漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』製作陣に直撃取材! 主人公・オグリキャップの魅力に迫る!
    kangiren
    kangiren 2020/11/01
    当時の笠松って、競馬場の真ん中が畑で、レース中断時にお百姓さんが野良仕事してたってホント?
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