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ブックマーク / yoghurt.hatenadiary.com (5)

  • 映画「風立ちぬ」と、なかったことにされた人生 - 未来の蛮族

    風立ちぬ サウンドトラック アーティスト: 久石譲,読売日交響楽団出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ発売日: 2013/07/17メディア: CDこの商品を含むブログ (47件) を見る国民的作家、なんて大仰な呼び方が許されるのは、この国では村上春樹と宮崎駿くらいのものだろう。その国民的作家の、最後の作品(?)になった「風立ちぬ」を、9月9日の時点で788万人が観たらしい。 http://mantan-web.jp/2013/09/10/20130910dog00m200015000c.html それで、恥を偲んで告白すると、おれはこの映画をみて、けっこうひどい勘違いをしてしまっていたんだよね。 「風立ちぬ」が、堀越二郎の半生と、堀辰雄の小説をミックスしたものであることは知っていたけれど、それは当然、堀越二郎の人生に堀辰雄の小説と重なるものがあるからだと思っていたのだ。

    映画「風立ちぬ」と、なかったことにされた人生 - 未来の蛮族
  • せめて、もっと人殺しの顔をしろ - 未来の蛮族

    TVでは、芸能人が我々に呼びかけている。「デマに騙されないようにしよう」ずいぶんと難しいことを言ってくれる、とおれは思う。デマに騙されようと思って騙される人間はいない。みな、正しいことをするつもりで間違えるのだ。 芸能人たちはこんなことも言っていた。「被災者の気持ちになって考えよう」確かにこれは大事なことだ。けれど、難しい。とりわけおれのような人間にとっては。おれは頭が悪いから、福島の原発について、土地を奪われた人間の気持ちをほんとうには想像することはできない。ただ、自分に置き換えて考えてみることしかできない。 もしも、自分の住む街に原子力発電所があったらどうだろう? 自分の故郷が、放射性物質に汚染されてしまって、二度と帰ることできなくなってしまったらどうだろう? しかも、その原子力発電所は遠く離れた東京に電気を供給するための施設なのだ。なぜ、自分たちだけが、東京の犠牲にならなければならな

    せめて、もっと人殺しの顔をしろ - 未来の蛮族
    kangiren
    kangiren 2011/04/16
  • それからの十日間 - 未来の蛮族

    あの地震のあとには、あらゆるものの見え方が変わってしまった。というのはやはり言い過ぎで、変わるものもあれば変わらないものもある。今日の気分はどちらかといえば、変わっていない、という方向に流れているかもしれない。それでも、風のにおいや空の色は確実に変わってしまったような気がしているのだけども、きっと変わってしまったのは、おれの方なのだと思う。被災に遭われた方々のことを思えば、こんなのんきなことを記していくのはおかしいし、拙い上に何の実用性も持たないこの文章だって、電力によって記録され、送信されているのだから、ほんとうに申し訳ないと思うのだけど、最近のおれはよく空をみるようになったし、桜のつぼみが開きはじめたことにも気がつくようになった。 ▽ もちろん、それは地震から一週間以上経った今だから言えることだ。地震の翌日、3月12日には、ずっとテレビとネットを眺めていた。翌々日の3月13日もそうだ。

    それからの十日間 - 未来の蛮族
  • ゆとりをうらやむ歌 - 未来の蛮族

    人類がいちばん腐っていた時代に生まれ育った老人たちが、今日も若者たちを罵っている。彼らが言うには、最近の若者たちは「とにかく覇気がない」し、「ゆとり教育のせいで競争心を失い」「向上心も持たず」「欲しいものさえもない」「去勢された羊のような連中」であるらしい。「これだからゆとりは」何度この文字列を目にしたことだろう。僕には老人たちの言うことがよくわからない。いわゆる「ゆとり」と呼ばれる若者の性質は(仮にそれが評判通りであれば)この、衰退していくかつての先進国で生き抜くための、最適解であるようにしか思えないからだ。夏には夏の、冬には冬の過ごし方がある。熊だって冬になれば眠りにつく。まして、この冬には春が約束されてはいないのだ。老人たちは、「どうして夏のように歌い踊らないのか?」などといって若者を責め立てるけれども、そこにはキリギリスがアリを説教するかのような滑稽さしかない。 やはり、どう考えて

    ゆとりをうらやむ歌 - 未来の蛮族
  • ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破をみたZE! - 未来の蛮族

    誰もがそうであるように、僕もまた、新劇場版におけるシンジさん*1の活躍を心から嬉しく思っている。第三新東京市を駆けるシンジさん。両手を貫かれても、挫けないシンジさん。カッコよすぎるぜ……。終盤、シンジさんが綾波に手を差し出したとき、僕は既にシンジさんの格好よさに震えていたし、綾波のあの言葉を、ほぼノータイムで否定するにいたっては、僕はもうほとんど失禁しそうになってしまった。 もちろん、シンジさんだけでなく、綾波やアスカがみせた振る舞いもまた、賞賛に値するものだった。アスカの平手打ちを防いで見せた綾波の強さ。アスカもまた、受け止められたその手から、綾波の気持ちを感じとれるだけのしなやかさを身に付けていた。これらはほんとうにすばらしいことだ。僕は、彼らの生命が美しく蘇ってゆくのをみて、ほんとうにうれしくてしょうがなかった。 しかし、 僕にはひとつだけ心配がある。それは、旧作の彼らを新劇場版の彼

    ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破をみたZE! - 未来の蛮族
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