4月に東京・調布市の神代植物公園で見つかった身元不明の遺体が、今年3月から行方不明になっていたレポーターの奥山英志さん(享年61)だったことが確認された。遺体発見から実に8か月後の身元確認だった。 今回の事件の報道で、多くの人が感じたのが、指紋やDNAなど科学的なデータですぐわかりそうなはずなのに、なぜ遺体発見から8か月近くもの間、その遺体が奥山さんのものだと確認がとれなかったのかということだ。 元東京都監察医務院長で法医学者の上野正彦氏は、ふたつの大きなハードルがあったと説明する。まずひとつは、発見された場所が東京都で、捜索願が出された場所が神奈川県だったということだ。 「神奈川県は神奈川県警、東京都は警視庁の管轄です。身元不明の遺体が発見された場合は、まずは管轄内の身元不明者と照合して、それから全国の身元不明者と照合していくんです」(上野氏) 全国で年間約1000体もの身元不明