非モテ人間は現代の被差別階級なのか? 異性を発情させるのがそんなに偉いのか? 文学を手がかりに、いっそ、非モテライフをエンジョイする方法を探っていこう! プロレタリア戦士・小林多喜二の悲しくも重たい青春、後編です。 21歳の小林多喜二が仲間内の同人誌に発表した「彼の経験」(『小林多喜二全集〈第1巻〉』所収)には、非モテ小説を書く小説家が登場します。主人公は自分の片思いの悶々を描いた小説を非モテ仲間たちに読ませますが、「その主題はもう自分達にとっては常識だ!」「云いふるされたことだ」と罵倒されてしまいました。自分の片思いを非難されたように感じた主人公は、勢いあまって相手にラブレターを送りますがあえなく玉砕。手帖に男女論を綿々と綴って傷心を癒します。 女は恋愛のクライマックスは(いゝ意味、わるい意味を問わず)一つの『快楽』であると思っている。男はそうであるよりは、もっと厳粛な気持をもっている