トムラウシ山で中高年の登山ツアー客18人が遭難し、8人の命を奪った遭難事故。ツアー客はどういう状況下で山頂を目指したのか。夏山での惨状を報告する。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 暴風雨の中 出発 生還へ「歩こう」 意識失う仲間、全員散り散り 「死んでしまうと思うぐらい寒くて、とにかく下りてきた。2人は意識がもうろうとしていた。ガイドが先に行けと言うので、全員が散り散りになった」 登山ツアーの1人、戸田新介さん(65)は17日午前4時半、東大雪荘に極度に疲労した様子で現れ「女の人たちはしゃがみこんでいて(死んでしまうから)歩こうと言ったが、ダメだった」と無念さをにじませた。 午前5時半出発 ツアーは16日午前5時半、ヒサゴ沼避難小屋を出発した。小屋に宿泊していた登山客によると、当時、小屋には、18人のツアー客と、静岡県の6人