陽ののぼらない日。 そんな日がある。 空は厚い雪雲に覆われ、風景はひたすら色をなくしたまま、重い雪に包まれている。 いつ陽がのぼったのか、そして陽が沈もうとしているのかも、わたしの目ではわからない。 暗闇にあっても、その白さはほのかな明るさを保っている。 一日がぼんやりとしたうす暗い白に包まれていた。 こんな日には、家には誰も来ない。 いつもなら、元気よく声をかけてくる宅急便のお兄さん。 たたたっと軽い足取りの郵便配達。 近所中の庭を自由に駆け回る子どもたち。 遊びに来てくれる友人。 そんな人たちは、夢の中の登場人物であったかのように、わたしを取り囲む世界から消えてしまった。 遠い、幻のよう。 空からは、容赦なく雪が降り続く。 まるで、世界中を埋め尽くそうとするように。 凍りつく。すべてが。 命あるものたちのぬくもりでさえ、凍ってしまいそうだ。 やわらかそうに見えて、鋭く、冷たく、残酷な白