俳句甲子園の季節である。先月の14~22日にかけて各地で地方大会が開かれた。筆者は15日の東京大会を見に行った。 見物に行ったのは、もしかしたら内田遼乃に会えるかもしれないという期待からだった。内田遼乃。いったい彼女のことを知っている人がどれくらいいるだろう。昨年の秋、週刊俳句の10句欄に登場した女子高生俳人である。当時、東京家政学院高校俳句同好会の二年生。この年の俳句甲子園地方予選に出場している。掲載されたのは、こんな句である。 ピーチ姫を助けに行くわたしは実はあみどだった ばっきゅーんうちぬかれたハートはもうはつなつのチョークのよう 私を月につれてってなんてはつなつのぬるい海で我慢してね 意味が分からない。言うまでもないけれど、五七五ではない。賛否が分かれるのは明らかだった。先に筆者の立場を言えば、面白いと思った。こんなむちゃくちゃなことを書く人がいるのか。もちろんこれは批評ではなく感