学生時代に借りた奨学金の返済を抱える人たちは子どもが少なく、結婚や持ち家の取得も遅れがちであることが、大分大学の川田菜穂子准教授(住宅政策)らの調査でわかった。主な奨学金の返済期間は最長20年だが、返済の期間が長くなる人ほど、人生設計に大きく影響しているという。 文部科学省の助成を受け、昨年末、全国の25~44歳の1600人にインターネットで生活状況を尋ねた。回答者の平均世帯年収は約650万円で、大卒・大学院卒は56%。奨学金を借りたことがある人は、全体の2割ほどいた。 回答者の世代を二つにわけて分析すると、子どもの数や結婚しているかどうかの差は、奨学金を借りていない人や返済をすでに終えた人との間で比べると、35~44歳の層で目立った。平均の子どもの数では、返済がある人の0・55人に対し、返済がない人は0・98人。未婚率の差は35~44歳のなかでも男性で目立ち、返済がある人は57・1%、返