十年ほど前、22歳の国際ジャーナリスト、ドミートリー・グルホフスキーが2013年の核戦争で生き延びた人々についての摩訶不思議な冒険譚を綴った。 しかし、出版社は、主人公が非業の死を遂げて続編の可能性を奪ってしまった結末が気に入らず、この新進気鋭の幻想作家のデビュー作刊行に難色を示した。 そこで、グルホフスキーは自分の長篇小説の全13章をインターネット上に掲載し、心おきなくジャーナリズムの仕事を続けていた。 彼が立ち上げたこの小説のサイトは徐々に人気を博した。数年後、また原稿に向かい、大幅に手を加え、再び出版社の門を叩いた。すでに多数の潜在的読者が存在していた。『メトロ2033』は出版され、十万を超える部数で何度か版を重ねた。 核戦争後の2033年何が起きる Metro2033(上):核戦争後のモスクワ2033年。生き残った人々は地下鉄の駅に暮らしている。しかし、そこも安全ではない。そこで主