新・御手洗キヤノンの目指す道 「あまり早く行っても迷惑だろうから、経団連(日本経済団体連合会)の仕事は朝9時半から始める。私は毎朝7時には(キヤノン本社に)出社しており、それはこれからも変わらない。1時間半から2時間は仕事ができる」 5月11日午後、都内のホテルで開いた社長交代会見の席上。キヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長は、臆することなくこう語った。 「今月24日に予定される経団連会長への就任後もキヤノンの経営に関わっていくのか」。そう問われ、否定するどころか逆にCEO(最高経営責任者)としての役割を果たすことに並々ならぬ意欲を示した。「(役員が忌憚なく議論を交わす)朝会に出て、社長の相談に乗ったり、注文をつけたりする」ともつけ加えている。 23日をもって御手洗氏は会長専任となり、内田恒二副社長が社長に昇格する。「財界総理」といわれる経団連会長の毎日が、どれほど多忙を極めるものか。