【パリ=田村龍彦】欧州に債務・金融危機解決のための包括策実行などを求める共同声明を採択し、15日に閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、安住淳財務相は財政健全化の重要性を強調し、日本の消費税率を10%に引き上げる法案について、来年に国会提出、成立させる考えを表明した。消費増税を国際公約した形だが、増税反対勢の説得材料は少ないうえ、前提である経済成長の道筋も未完成で、安易な公約との批判を受けるのは必至だ。 今回の会議の中心議題は欧州の債務危機だ。ギリシャなどの国債下落で銀行が連鎖破綻し、金融危機が世界に広がりかねない状況に各国が懸念を示した。 日本も財政健全化を訴え、共同声明には「先進国は財政健全化を達成するため具体的な措置を実施する」と盛り込まれた。 安住財務相は閉幕後の会見で「国が発行する債券が信頼を保てなければ、世界の経済秩序にとてつもない影響を与えることを各国が