靖国神社について述べる前に、大前提として言っておきたいことは、私は国のために命を捧げた人間を国家が追悼することは当然だと思うし、一国の元首が戦没者に対して哀悼の意を表するのも全然問題ないと考えている。 問題は靖国神社という存在と追悼する対象なのだ。 まず一番の問題は、戦没者を国家として追悼するべき施設が国家と何ら関係のない一宗教法人によって運営されているという事実である。 国家が国家として国家のために命を捧げた人を追悼するのであれば当然国家施設であるべきだし無宗教であるべきである。 日本は日本の伝統があり、神道こそが日本の伝統の心なのだという意見はもっともだと思うが、それはヨーロッパとキリスト教、イスラムとイスラム教も同じである。 日本の伝統である神社形式を伴うにせよ、宗教としての神道はあってはならないわけである。 そもそも、宗教とは人の対立を防ぎ平和的に生きるために存在しているにも関わら