執筆者 山田剛(日本経済研究センター 主任研究員) ※この記事はニュース解説サイト『新潮社Foresight』より転載させていただいたものです。 http://www.fsight.jp/ [リンク] インド最高裁は10月4日、政府に対し2013年4月までに全国の小中学校すべて(約130万校)で飲料水やトイレなどの基本インフラ整備を義務付ける命令を出した。「基本インフラの欠如によって、子供たちが適正な教育を受ける権利を侵害されている」というのがその理由だ。有名なインド工科大(IIT)など、高等教育・技術系教育では世界的な水準にあるインドだが、初等・中等教育の現場は依然として劣悪な環境であることを、最高裁命令は改めて浮き彫りにした。 トイレが女子の就学率を左右 インドでは2010年4月に、初の全国レベルでの「義務教育(RTE)法」が施行されるなど、遅まきながら小中学校における教育環境の底上げ