人工神経接続のイメージ 【北上田剛】手足を動かすための脳からの電気信号を、脊髄(せきずい)の傷ついた部分を迂回(うかい)して伝える「人工神経接続」技術を開発したと、自然科学研究機構・生理学研究所(愛知県岡崎市)が発表した。サルでの実験に成功し、将来、脊髄損傷などで手足が不自由な患者の治療に役立つ可能性があるという。11日付の欧州の専門誌電子版に掲載される。 同研究所の西村幸男准教授(40)によると、脳と手足を結ぶ信号の経路となる脊髄が傷つくと、脳からの電気信号を手足に伝えることができず、自由に動かすことが難しくなる。 西村准教授らの研究者のチームは、傷ついた部分を迂回して、特殊な電子回路を使って機能が残る脊髄に電気刺激を伝える技術を開発。脊髄を傷つけて手がマヒしたサルで実験したところ、手の力を調整してレバーを動かせるようになった。電子回路を切ると、脳からの信号は確認できても手を動かせ