宮沢賢治の言葉の中に、「永久の未完成これ完成である」という有名なものがある。 今から100年も前の時代にあって、どれだけ先見的な考え方を持っていたのだろうと思う。 我々はどうしても、何らかの創作物を不完全な状態で出すことに抵抗感を持ってしまうが、宮沢賢治でさえも「完成はない」という考えを持っていたということには逆に勇気付けられる。我々が作るものは、宮沢賢治の作品以上に「永久の未完成」である。 「永久の未完成これ完成である」という言葉が書かれていたのは「農民芸術概論綱要」1という作品の中である。この作品は「芸術」について語ったものであるが、いまの時代の経営論・組織論として読みたくなる言葉に溢れている。以前このブログで論じた「ホラクラシー」は、個人個人の感性や主体性を活かしながら個と全体を統合していく生命体のような組織モデルであったが、「農民芸術概論綱要」で論じられている内容もそれと共通するも