1日にシステム障害で取引を終日停止した東京証券取引所は、2日午前9時から株式全銘柄の売買を再開した。原因究明や再発防止策が課題となるが、一連の障害への対応については、東証は意外にも「株を上げた」形だ。 前日の障害はシステムを運用するハードウエアの故障が原因で、バックアップ装置への切り替えが正常に行われなかった。東証は動作不良の原因も調べている。 東証が売買を終日停止したことは失態ではあるが、早い段階で終日停止を判断した点については評価する声も聞かれた。 記者会見で東証の宮原幸一郎社長は「市場運営の責任は全面的に私どもにある」と責任の所在を明確にし、システムを開発した富士通に損害賠償を求めないと明言。東証を傘下に置く日本取引所グループの横山隆介最高情報責任者(CIO)の理路整然とした説明もネット上で評判となった。