故岡本顕一郎氏が編集長を努め、担当著者はアングラ系や情報セキュリティに特化した面子が顔を揃えた、日本で指折りの情報セキュリティ系Webマガジンの正式な休刊発表が飛び込んできたのは、晩冬の北風が厳しい2018年の12月だった。説明するまでもないが、編集長の左横に「故」の文字が付いているのだからそういうことだ。氏は2018年6月24日の夜、42歳の男に刺殺された。 このニュースはまたたく間に、特にTwitter上ではセキュリティクラスターを中心に、衝撃、そして悲しみを伴って伝わった。各セキュリティ研究者・エンジニアの中には個人のブログで哀悼の念を書き綴ると共に、早すぎる死を悔やんでいた。 と同時に、氏が手がける本誌の先行きを憂慮する声も出始めた。実際問題、本誌の更新は7月1日の「モバイルマルウェアで1日に8000ドルを盗んでいた人間が逮捕」を最後に、2ヶ月以上も更新を絶っていたのだ。その後の1