午前中に自宅などでメールのやり取りを済ませ、昼頃に職場へ「出勤」――。ソフトウェア企業「Priv Tech」(プライブテック、東京)に勤める角田翔さん(36)の日常的なスタイルだ。 「ちょっといい?」言える距離感を 職場はインターネット上に設けられた仮想オフィス。出勤するのは角田さん自身ではなく、自らを示すアイコンだ。パソコンの画面に机や椅子が並ぶ2次元の職場が表示され、アイコンを操作して着席。仮想オフィスに表示された同僚のアイコンに近付けば、実際には離れた場所にいる相手と会話ができる。 オフィスが入居するビルのラウンジで「仮想オフィス」の中の同僚と話す角田さん。「離れていても仕事の話がしやすくなりました」(東京都港区で)=西孝高撮影 「ちょっといいですか?」。マイク越しに角田さんが同僚へ声をかける。「近づいて話しかける動作は現実に近い。聞いたほうが早いなとか、いま思いついたんだけどとか、