由美ちゃんへ
とある本が読みたくなって本屋に探しに行った。 一般の文芸書で、そこそこ有名な作家の本だがベストセラーとまではいかず発売は2年ほど前。まだ文庫化はされていない。 このタイプの本は、そこら辺の本屋にはまず置いていないということを思い知った。 私の行動範囲(原付で移動できる程度の距離)には、商店街の本屋さん、やや郊外型の中規模書店がいくつかあるがその何れにも無い。 ふと思い立ち、ブックオフに行ってみた。 そこでやっと発見。 どういうことなのだ。 新刊で購入しようと思っていた人が新古書店に行かないと本が見つけられないなんて、新刊業界(?)の連中は恥ずかしくないのだろうか。 ついでにブックオフでいろいろ本を見てみる。 すると、100円コーナーにもかつてのベストセラーや名作漫画、絶版でamazonでも手に入らないような本が並んでいるではないか。 あの時興味はあったけど買い損ねたあの本、ベストセラーにな
『父になった少女、母になった少年』 2008 210×62.5×35cm、210×51×28cm 朴材の一本造りに彩色 © Koji Tanada 彫刻家 棚田康司(1968〜)は、一本の木を外から彫りこみながら、子供たちをなかから立たせようとします。髪の毛の一筋、柔和な目尻、浮きあがる肋骨、木肌を残した皮膚の色、緻密な観察による未成熟な人体は、どこか中性的で、その先の変化を予感させる姿態をとっています。彼の彫刻は、木との出会いからはじまり、その内部を丹念に見極め、「木取り」をしていく、素材と徹底して向き合う過程のなかからうまれます。彼自身が見聞き体験した出来事を引き金とし、実在の人物への洞察をもとに、個別の性格と、我々の誰にも訴えかけるような内面をとりだします。このように、彼は、身近な日常の小さな手ごたえを、願いをこめて、人間の奥深くとどくものへと変えていきます。 2001年の
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