せっかく春になったのだから、仏像が歩いているところを見たい―人間として、ごく自然な気持ちである。 仏像は立っているだけではなんだか物足りない気がするし、漠然と物足りなさを感じているうちに、それが、立ちつくしているだけで、この人は本当にわたしを救う気があるのだろうかという不信感へと変化しはじめたころ、カルト宗教の勧誘が心の隙間を狙ってやってきて、断り切れず入信してしまうかもしれない。信者の多いカルト宗教ならまだ救いがあるが、ケーキなどの甘いものは汚れた食べ物なので食べるときは必ず酢をかけて清めなさい、などといった教義を掲げる宗教に入信することになってしまったらそこで人生は終わりだし、しかも酢をかけることは来世への輝かしいステップにすぎないと思いこんだりしているのかもしれず、つまり、「動く仏を見る」という行為は、観光というよりも危機管理に近いのかもしれない。 ―とはいえ、わたしは特に仏教を信じ
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