シンガポールで開かれていたTPP(環太平洋経済連携協定 )交渉の閣僚会合は10日、「年内合意」を断念した形で閉幕しました。来年1月に再び閣僚会合を開くとのことですが、最大の焦点は輸入品にかける関税の撤廃。中でも注目されているのが「重要5項目」の行方です。日本政府は(1)コメ(2)麦(3)牛肉・豚肉(4)乳製品(5)甘味資源作物(砂糖など)を「重要5項目」とし、関税撤廃の例外にする方針です。この「重要5項目」は、これまでの貿易自由化をめぐる日本の国際交渉でも常に特別扱いを受け、「聖域」として守られてきました。 どうしてこれらの農産物を守らないといけないのでしょうか。 「5項目」を守る理由 そこにはまず、国内の食料自給率の問題があるといわれます。農水省が2013年8月に発表した12年度の食料自給率はカロリーベースで39%。この自給率39%は先進国のなかでもかなり低い数字で、それだけ日本が食料の