物質は電子と原子核でできています。電子は、原子核に比べて1/1000から1/100000の質量でとても軽く、原子核の隙間を高速に飛び回ることで、物質の主たる性質を決定しています。ですので、物質の中での電子の運動がわかれば、物質の性質を予言することができます。 電子の運動は量子力学に従います。第一原理計算は、量子力学のシュレディンガー方程式に則って、 そのような物質の中の電子の運動をコンピュータの力を借りて計算する方法です。そして、計算した電子の運動から、さまざまな物質の性質を求め、調べることができます。 第一原理計算は、未知の物質の性質の探索や、実験では測定のできない原子スケールの物理現象を調べることができるので、大変強力な研究手法です。 第一原理計算の動作原理 ・ 電子状態をどうやって計算するのか? ・ 多原子系の取り扱い方ー一体近似 ・ 多体相関 ・ 密度汎関数法−準備1 ・ 密度汎関