26日、昼。下北沢にある銀杏BOYZ事務所にて。 マネージャー斎藤が電話をとり、大慌てだ。ほとんど眠りかけでソファーに横になっている僕を揺り起こす。 「峯田、新宿の紀伊国屋書店、10時に開店して20分でサイン会応募券分の100冊、売り切れたらしい…」 「……あっ、そ」 僕はソファーに再び横になって、上着で顔を隠して、涙が出るのをこらえた。 まだだ。まだ終わっちゃいない。まだ本が完成して発売されたってだけじゃないか。これからサイン会も何カ所かやるし、どう面白く展開するかはこれから考えなくちゃならない。だけど、だけど、今日は寝てしまおう。 いろんなことがあった。理不尽だなーと思うこと。悔しくてやってらんなかった。だけど投げ出さなくてよかった。 どんな形であれ最後まで成功させましょうという出版社と、いや、妥協しない形で納得いくものをちゃんとつくりたかった僕(そしてスタッフ木本)。 一週間前に神田