CS開幕を3日後に控えての辞任発表だった。ただ、「リーグ優勝していても辞任したと思う」と野村監督は言う。CS前に決断を明かした理由は、ドラフト会議が近いことや、新体制にかかわる運営に配慮してだという。 昨季、野村監督は「4年で一区切りつけようと思った」と辞意を固め、球団に慰留された経緯がある。そのため、今回は球団側も無理強いはしなかった。「5年は一つのめど。立派にやり遂げてくれた」(松田オーナー)と了承した。 就任前は12年連続でBクラスだったチームを昨季、今季と2季連続で3位に押し上げた功績は大きい。丸や菊池といった生え抜きの若手を中心に据えて伸ばした手腕は評価できる。 その手法の一つが競争だった。今季も「調子の良い選手を使っていく」と宣言し、外国人選手や実績のあるベテランでも、結果が出なければ容赦なく2軍に落とした。監督の姿勢が緩みのない雰囲気をもたらし、選手の力が底上げされた。